そんな人に向けて記事を書きました。
「繊細さんとってどんな人だろう?」
それが本書のタイトルを見たときの最初に浮かんできた筆者の疑問です。
本書の第1章に次のような記述があります。
繊細さんの特徴は「感じる力が強い」という一言に集約されます
この「感じる力が強い」というのは、「気にし過ぎ」「真面目すぎる」という個人の性格によるものではなく、「繊細に生まれついた」ということです。
本書によると「生まれつき繊細な人」が5人に1人の割合で存在するそうです。
言われてみるとそうかもしれません。そういう「感じやすい人」はいるでしょうね。
読み続けていくうちに「ひょっとすると筆者も感じやすい人なのではないだろうか?」と思い始めました。
「私だって人より気になることを見つけることがある」
「どうでもいいことに拘ることがある」
「だったら感じやすい人かもしれない!?」
そう思って読み進めていくと〈繊細さん診断テスト〉というものが出てきました。
これは、アメリカの心理学者エイレン・アローン博士が提唱した理論から作ったHSP自己テストです。
HSPとは「視覚や聴覚などの感覚が敏感で、刺激を受けやすいという特性を生まれつき持っている人のこと」だそうです。
テストには23の質問が並んでいます。
この質問に12個以上「はい」と答えた人は、HSPだそうです。
筆者は早速、テストをやってみました。
その結果、「はい」は4つしかありませんでした。
「なんだ!私は繊細さんではなかったんだ!」
そうなると…繊細さんの感じる力が強いとは、どういうことなのか?
感じることが強いとどんなことが起こるのか?
いっしょに見ていきましょう。
Contents
「繊細さん」の本 著者のプロフィール
本書の解説の前に、著者である武田友紀さんのご紹介しておきます。
武田 友紀(たけだ ゆき)
HSP専門カウンセラー。自身もHSPである。
大手メーカーで研究開発に従事後、カウンセラーとして独立。
HSPの心の仕組みを大切にしたカウンセリングとHSP向け適職診断が評判を呼び、全国から相談者が訪れる。
著書に『「繊細さん」の本』(飛鳥新社)、『繊細さんが「自分のまま」で生きる本』(清流出版)などがある。
「繊細さん」の本の概要
本書は「繊細でストレスを受けやすい人におすすめです」と紹介されています。
ここでは、そんな敏感で感じやすい人たちが生活の中で楽になる方法を本書から絞り込みました。
毎日のストレスを防ぐ
敏感な人は、人の感情や小さな音、わずかな光までさまざまな情報を感知してしまうため、それだけ刺激やダメージを受けて、疲れることになります。
本書では、そうした刺激やダメージを減らすため例えば次のような方法を紹介しています。
それは、例えば次のように「モノを使って防ぐ」ことです。
・サングラスをすることによって、見えるものを最低限にする。
・イヤホンで心地よい音楽を聴いたりして、周辺の雑音から逃れる。
・マスクをすることによって嫌な匂いの被害を減らす。
人間関係をラクにする
敏感な人は、感じる力が強いわけですから、相手の感情を察しやすく、その場の雰囲気を感じることが得意です。
そのため、人の話を共感しながら聞くなどいい面がある一方、気を使い過ぎて自分の意見を言えなくなってしまうこともあるそうです。
著者は、そんな感じやすい人の感覚について著者はこのように言われています。
繊細さんと非・繊細さんの感覚の違いは、繊細さんの想定をはるかに超えています
これは、繊細さんが想像している以上に、非・繊細さんは何も感じていないということです。
繊細さんが人間関係をラクにするためには、まず感覚の鈍い相手を理解することから始めることが近道のようです。
のびのび働く
感じやすい人の仕事での消耗は、体ではなく「頭」だそうです。
それはやはり、感じる力が強いことが影響していて、「考え疲れ」や「緊張疲れ」で神経が休まず、疲れがとれにくくなってしまうからでしょう。
これは、〈繊細さん診断テスト〉の質問にも出てきていたのですが、「短期間にたくさんのことをしなければならないとき、混乱してしまう」というのがありました。
仕事の状況はこれによく似たことが起こります。
「いろいろな仕事が同時にかさなってしまう。」
この時の解決方法は「一つひとつやっていこう!」ということです。
これは、雑多な筆者たちにも言えることではありますが…。
自分を活かす
感じやすい人たちには共通する5つの力があるそうです。
それは、感じる力・考える力・味わう力・良心の力・直観の力です。
これらの力を上手に使うために、筆者はこのようなアドバイスをしています。
1.自分自身の強みと掛け合わせて使う
2.心と体をのびのびと自由にしておく
正直、この自分を活かす5つの力については、筆者が理解できる「感覚」を超えていました。
気になる方は、本書をお読みください。
「繊細さん」の本のポイント
本書を読むうえで、まず重要なことは、自分が「繊細さん」か「非・繊細さん」のどちらかを見極めることです。
ここでは本書の第1章「繊細さんがラクになれる基本」から需要なポイントを選びました。
これを読んで自分に当てはまると思った人は、間違いなく「繊細さん」です。
ポイント1 魔法の言葉「とりあえず」
敏感な人の仕事の仕方は、鈍感な人から見ると「丁寧で」「仕事が遅い」と思われがちです。
しかし、反対に敏感な人からすると鈍感な人の仕事は「雑で」「落とし穴だらけ」のものに見えるのです。
このように敏感な人には「ベストがわかるから、考えすぎて動けない」という状態になります。
こんな時に思い出してほしい言葉が「とりあえず」です。
「とりあえず、データを探してみよう!」
「とりあえず、これからやってみよう!」
「とりあえず、仮説を立ててみよう!」
「とりあえず」があれば、いきなりベストを狙うのではなく、動き出してから修正できるようになります。
ポイント2 自分に意見があることに気づくこと
敏感な人は、自分より他人を優先してしまう傾向が強いそうです。
そんな人は職場で上司に意見を求められると、とっさに言葉が出てきませんよね。
それは、自分の意見がないわけではありません。
「意見はあるけどれ、相手のニーズに応えなければならない」と思ってしまうから、答えられないのです。
自分より他人を優先する気持ちは大切ですが、相手にとって100%の正解ではなくても、自分の意見を伝えてみましょう。
これで、ラクになるそうですよ。
ポイント3 自分の「こうしたい」を大切
自分の「こうしたい」とは、つまり自分の要望や理想です。
ここでも、「自分の意見」と同じように自分の「こうしたい」と大切にしてください。
これは、自分より他人を優先して、ものごとを相手に喜ばれるようにと判断していくのではなく、「私はどうしたいんだっけ?」と自問から始まります。
そのような自問が、自分の「こうしたい」を大切にすることにつながります。
「繊細さん」の本から得られるもの
「繊細さん」の本から得られるものは、本書のサブタイトルにある通り「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる、ということです。
これは、もちろんターゲットである繊細さんにとっての話ですが…。
鈍感で大雑把な人の代表として筆者が感じたことを述べさせていただきます。
本書のお陰で世の中にはこんなに感じやすい人がいるんだ、ということがわかりました。
本書の中にも出てきますが…鈍感な人が感じやすい人に言ってしまっているセリフがたくさんありますね。
「あまり気にしなくてもいいんじゃない」
「そんな細かいことを言ってもしょうがないよ」
「あなたのせいじゃないから、忘れなさいよ」
これは感じやすい人人にとっては、慰めではなく、攻撃しているように聞こえているかもしれせん。
筆者を始めとする鈍感で大雑把な人間は、敏感な人の感じやすさを理解することが大切です。
それが、本書から学んだことです。
「繊細さん」の本要約 まとめ
これまでいろんな種類の本を読んできましたが、本書ほど「人に気を使うようにしよう」と諭されたものはありませんでした。
人にはひとそれぞれの考え方や生き方があります。
でも、本書を読んでわかったのですが、感じる力が強いというのは、ものの受けとめ方や考え方も違ってくるんですね。
確かにそれほど鈍感であれば、敏感な人に気を使わせたり、ストレスを与えたりすることになるのかもしれません。
非・繊細さんである私たちも共生することを考えないといけませんね。