こんな疑問を持った人に向けてこの記事は書かれています。
まずはタイトルから要約することにします。
本書の要約タイトルは「行動最適化大全」です。
わたしが著者である樺沢紫苑さんの著書で初めて読んだのは「学びを結果に変えるアウトプット大全」でした。
しかし、正確には「読んだ」ではなく、「つまみ読みをした」という方が正しいと思います。
「アウトプット大全」は、「大全」と称している通り「アプトプット」に関するありとあらゆることとが網羅されています。
そのためわたしが読んだのは、私自身に関係のあるところばかりです。
ただ、いくつか直接、関係がないけれど気になるページを読みました。
それは、「そうか!そういうアウトプットの仕方もあったんだ!」というわたしにとって新しいアウトプットの発見だったのです。
さて、「行動最適化大全」に戻りましょう。
本書のタイトルの最後に出てくる”ベストタイムにベストルーティンで常に「最高の1日」を作り出す”が本書の概要であり、ベネフィットです。
しかし、「本当にその時間に合った動作や日課をすることで最高の1日をつくることができるだろうか!?」
本書のタイトルを見て、そう思いませんか?
以上のような筆者は疑いの視点から本書を読み始めたのは事実です。
「ベストタイムにベストルーティンで」の本当の意味を見ていきましょう。
Contents
著者のプロフィール
本書の解説をする前に、著者である樺沢紫苑さんをご紹介しておきます。
樺沢 紫苑(かばさわ しおん)
精神科医、作家
1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴの イリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。
SNS、メールマガジン、YouTubeなどで累計40万人以上に、精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝え、「日本一、情報発信する医師」として活動している。『学びを結果に変える アウトプット大全』(サンクチュアリ出版)、『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)、『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』(大和書房)など著書多数。
「行動最適化大全」のポイント(要点)
ここでは、筆者が「これはおもしろかった!」と思えるものを独断で3ポイント(要点)に絞ってみました。
精神科医としての視点から書かれていることに加えて、著者がインターネットを中心としたフォロワーとのやり取りで、人が抱えている「悩み」や「ストレス」を手に取るようにわかっているからこそできるアドバイスですね。
ポイント1 「遊び」は充電!成功したければ、もっと遊べ!
「仕事が生きがい」といい、1年365日仕事をしていた友人がうつ病になった、と筆者は書いています。
遊ぶ、楽しむことは、リフレッシュすることあり、エネルギー補給です。
なかなか時間が捻出できない人は、遊びの予定を先に入れてしまいましょう。
(何事もバランスが大切ですね!)
ポイント2 やる気が湧かないときは、とりあえずはじめる
脳科学的には、「行動」が先で「感情」は後からついてくるものだそうです。
やる気が出るまで待っていては、いつまで経ってもやる気は出てきません。
例えば「TO DO リスト」を作って、はじめるルーティンをつくることによって、仕事をスタートさせましょう。
そうすれば、やる気のあるなしに関わらず、業務を進めていくことができます。(耳の痛い話です!)
ポイント3 ストレスが多いと思ったときすること 「睡眠」「運動」「朝散歩」
ストレスが健康に悪いという思い込みが強い人ほどストレスの影響を受けやすく、「考え方」でストレスホルモンの分泌が変わるそうです。
昼はバリバリ働き、帰宅してリラックスしてすごし、グッスリと眠る。これがストレスの最適化の基本。
著者はストレスの解決のために「原因解決はしなくてもいい」と述べています。
ストレスホルモンを減らすことのできる睡眠、運動、朝散歩でストレスが軽減できます。
(こちらもバランスの話のようですね!)
「行動最適化大全」から得られるもの
本書は、「生活習慣」「仕事」「人間関係」の最適の情報を50のポイントにまとめています。
冒頭から「朝」「昼」「夜」と人の生活を時系列に追っかけて、「ベストタイムにベストルーティン」を解説しています。
その後に「仕事」や「学習」「コミュニケーション」という切り口でその時間帯にやるべき動作や日課を上げています。
大まかな概要を頭に入れたい人は第Ⅰ章が「イラストでわかる最高の1日をつくる行動の最適化」を見てください。
そのイラストを見るだけで、確かに「どの時間帯に何をするのが最適か?」というのが頭の中にはいってきます。
前述の「ポイント(要点)」では、筆者の独断で選んだポイントを3つご紹介しましたが、本書から得られる「ビジネス」で重要な次の3つを厳選しました。
①15-45-90分の法則
②脳のゴールデンタイムを活用
③有酸素運動で集中力をリセット
以上の3つを解説していきます。
①15-45-90分の法則
15-45-90分の法則とは、集中力が維持できる単位の話です。
本書では、「15分」「45分」「90分」単位で仕事をすると集中力が維持でき、効率化できると書かれています。
そして、もっとも高い集中力を維持できるのが「15分」。
この「15分」の続きの話となりますが、「60分の学習」よりも「15分×3(計45分)の学習」の方が、学習効果が高いという結果が出たそうです。
確かに小学校の授業は45分ですね。
これは、文部科学省が設定している授業時間だそうです。
小学生が集中して取り組みやすい時間として設定した時間といえます。
そういえばテレビドラマもCMを除けば45分程度ですね。
また「90分」は大学の講義の1コマに相当します。
大人の集中力の限界が90分ということでしょう。
「90分」と聞いて思い浮かぶのがサッカーの試合の長さです。
サッカーの試合は前半45分、後半45分で合計90分で行われます。
間に15分ほどの休憩タイムも挟みますし、集中して見ていられるちょうどいい時間となっています。
②脳のゴールデンタイムを活用
本書における「脳のゴールデンタイム」とは、1日の中で最も集中力が高い時間帯のことで、起床から2~3時間、と謳っています。
起床後の2~3時間は、脳に疲労もなく、脳内は整理された状態で、「何も残っていないきれいな机」のような状態です。
そのため脳のゴールデンタイムと重なる朝の通勤時間を勉強や読書などに使うと良いでしょう。
一番良くない活用方法は、朝の情報番組やスマホで漠然と情報を見るという行為だそうです。
確かにテレビやスマホでは、自分にとって不必要な情報も大量に入ってきます。
インプットしても無駄な情報は脳に入れないように心掛けることが重要なのです。
そう考えると確かに昔から午前中に勉強をするように言われていたような気がしますね。
③有酸素運動で集中力をリセット
さて、脳が疲れた状態でも集中力をリセットできる方があります。
それが「有酸素運動」だそうです。
「有酸素運動」は短時間の運動でも、集中力を高める脳内物質、ドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンなどが分泌されるからです。
できれば、30~40分。
汗が流れる程度の運動でドーパミンやノルアドレナリンが脳に補充されます。
筆者も一時期、ジョギングをやっていたことがありました。
確かにジョギングをしながらアイデアづくりや企画の整理の頭の中でしていたと思います。
あれだけ身体を動かすと、脳がカラになったとはいいませんが、リセットされた状態になるのでしょうね。
「行動最適化大全」まとめ
本書「行動最適化大全」の第1章「朝」の最適化に「早起きは健康に悪い!?」という小見出しが出てきます。
これは、”事前に目が覚める人はいいのですが、朝が苦手な人が、無理して「早起き」することはお勧めできません”という話です
イギリスのオックスフォード大学の研究によると、朝6時以前に起きる人は、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患の発症リスクが約4割、糖尿病やうつ病といったその他の病気に関しても2、3割高いと報告されている、そうです。
本書の凄いところは、このような医学的な根拠を述べながら、否定するべきことは否定して、それぞれの人に合った行動適正化を説明しているところです。
本書の最後の方に「最適化」チェックリストというものが載っています。
著者である樺沢紫苑さんは、本書の「おわりに」で1年間かければ「最適化」チェックリストのほぼすべてをクリアできます、と書いています。
「早起きは健康に悪い!?」で出てきたとおり、できないことや無理なことはやる必要はないでしょう。
ただ、日常生活の「悩み」「疑問」「ストレス」の解決方法や対処方法が見つからない場合は、これらの「最適化」に挑戦してみるものいいでしょう。
筆者の言われる通り「今日がもっと楽しくなる」はずですから。